前回までのおさらい
前回まで、5回に渡って「基本的なカメラの選び方」について書いてきました。
まだご覧になっていない方で気になる方は先にこちらをご覧下さい。
レンズの基本
今回からは基本的なレンズの選び方について書いていきたいと思います。
カメさん本体よりも馴染みが少ないので、最初のうちは混乱する方が多いと思います。
できるだけ分かりやすく書きたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、レンズの主だったポイントは次の4つになります。
- 焦点距離
- ズーム or 単焦点
- F値(絞り)
- フォーカス(ピント合わせ)
レンズ自体の解像度(画質のレベル)等も勿論あるのですが、大体レンズの値段と比例するので、ここでは省きます。
焦点距離によるレンズの分類(広角・標準・望遠)
初回の今回は、焦点距離について書いていきたいと思います。
これが分かればレンズの半分は理解したと思って頂いて良いと思います!
(一番わかり辛いのもこの焦点距離です)
焦点距離は「〇〇mm」と表記されます。
焦点距離によって写真の画角が変わるので、焦点距離の違うレンズを使うことで、同じ位置に立っていても広く撮れたり、一部分を拡大して撮ることができます。
イメージを掴むために、焦点距離による一般的なレンズの分類を書いてみます(分類の仕方は諸説あります)。最近はスマホもレンズが複数付いていて、超広角・広角・望遠などと言われているので、少し馴染みがあるかもしれませんね。
- 超広角レンズ・・・焦点距離21mm以下のレンズ(16mm,21mm)
- 広角レンズ・・・・焦点距離21mmから35mmまでのレンズ(24mm,28mm)
- 標準レンズ・・・・焦点距離35mm以上60mmまでのレンズ(35mm,40mm,50mm)
- 中望遠レンズ・・・焦点距離60mm以上135mmまでのレンズ(85mm,135mm)
- 望遠レンズ・・・・焦点距離135mmから300mmまでのレンズ(180mm,200mm)
- 超望遠レンズ・・・焦点距離300mm以上のレンズ(400mm,600mm,800mm)
(カッコ内はその中でも代表的な焦点距離で、更によく使われるものを赤字にしました。)
これを知っていると、「〇m先に立っている人を全身で撮りたいから24mmのレンズ」、「〇m先に立っている人のバストアップの写真を撮りたいから85mmのレンズ」といったように、相手との距離感に応じてレンズを使い分けることができます!
私は50mmのレンズが好きなのですが、「この場所から50mmのレンズで撮ると顔の一部分しか映らなそうだから、3歩下がってから撮った方が良いな」とカメラを構える前に自然と考えて撮影しています。
焦点距離の〇〇mmとは?
では、24mmや50mmとは何の数字なのでしょうか?
これはレンズの中心からカメさん本体にあるセンサー(フィルムに該当する部分)までの物理的な距離になります。
たまに長く巨大なレンズを持っている方を見かけることがありますが、これは焦点距離の長い200mmや400mmといったレンズです。つまりセンサーからレンズの中心までの長さが20cmや40cmになるので、必然的にレンズが長くなるわけです。
また、「焦点距離が長くなるほど望遠になる」というのは先ほど書きましたが、望遠というのは画角が狭いことで、広角というのは画角が広いことを意味します。
つまり、次のような結論になります。
- 焦点距離が長いレンズ=望遠レンズ=画角が狭い=一部分を切り取るレンズ
- 焦点距離が短いレンズ=広角レンズ=画角が広い=全体を広く撮るレンズ
この関係はニコンさんのページが分かりやすかったのでご紹介いたします。
焦点距離の35mm判換算とは?(フルサイズ以外のカメさん向け)
さて、最後に一番分かり辛い「35mm判換算」についてお話したいと思います。
言葉で説明するのがとても難しい部分です。
いざレンズを買おうと思って調べていると「焦点距離25mm(35mm判換算50mm)のレンズ」といった表記を目にするようになります。
35mm判換算でいう「35mm」というのは、今回お話している焦点距離のことではなく、フルサイズセンサーを意味します。つまり、35mm判換算を翻訳すると「フルサイズで言うところの~」となります。
これは「フルサイズセンサーの大きさが35mm判フィルムとほぼ同じ大きさ」だからのようです。
先ほどお話した通り、写真の画角は焦点距離(レンズの中心とセンサーの距離)で決まるわけですが、そもそものセンサーのサイズが変わると画角が変わってしまいます。
同じ画角にするのにも・・・
- 小さいセンサー=焦点距離(レンズの中心とセンサーの距離)が短くて済む=レンズを小さくできる
- 大きいセンサー=焦点距離(レンズの中心とセンサーの距離)が長くなる=レンズが大きくなる
このように、センサーサイズが変わると同じ画角にするのに必要な焦点距離が変わってしまいます。ここで「画角の基準になるのがフルサイズセンサーの焦点距離」です。
例えばフルサイズで50mmのレンズと同じ画角にする場合・・・
- マイクロフォーサーズ=焦点距離を25mmにするとフルサイズの50mmと同じ画角になる
→「マイクロフォーサーズ 25mmのレンズ」=「35mm判換算(フルサイズ換算)50mmのレンズ」
→マイクロフォーサーズは焦点距離を2倍するとフルサイズ換算できる(25mm×2=50mm)
- APS-C=焦点距離を約33mmにするとフルサイズの50mmと大体同じ画角になる
→「APS-C 33mmのレンズ」=「35mm判換算(フルサイズ換算)約50mmのレンズ」
→APS-Cは焦点距離を約1.5倍するとフルサイズ換算できる(33mm×1.5=約50mm)
まとめ
説明は以上となりますが、ちょっと難しいので何度か読んでみて下さい。
最後に今回の要点をまとめておきます!
- 焦点距離で画角が変わる
- 焦点距離が短いと広角、焦点距離が長いと望遠になる
- 焦点距離とは「レンズの中心からセンサーまでの距離」で「〇〇mm」と表記される
- 世界の共通言語が英語であるように、焦点距離の共通言語はフルサイズ(35mm判)
- 例えば焦点距離50mmと言えばフルサイズの50mmの画角を意味する
- フルサイズ以外は、フルサイズの焦点距離に換算して考える必要がある
→マイクロフォーサーズの50mmのレンズは35mm判換算で100mmになる
コメント