＜第一回＞和菓子とお花の撮影講座
久しぶりの更新となりましたが、先日北鎌倉のお茶室宝庵(ほうあん)にて、「和菓子とお花の撮影講座」を担当させて頂きました。有難いことにお陰様で満員御礼での開催となりました。
まずはカメラの仕組み（露出の決め方）、光の使い方、ポジション・レベル・アングルなどの基本的な撮影方法について最初に説明させて頂き、その後に茶室の露地でお花の撮影実習を行いました。
お花の撮影実習
撮影はスマホをメインに、お持ちの方にはカメラを持ってきて頂きました。9割の方がスマホを使われていましたが、カメラと共通するテクニックも多いです。まずは胡蝶花（シャガ）の撮影。群生している場合は主役を見つけると見やすい写真になりますね。
こちらは逆光の使い方。お花や葉っぱの透過光は美しく、絵になります。
続いてお地蔵さまとお供えされたお花の撮影。
「地面すれすれにスマホのカメラを構える方」はきっと少ないですよね。
ローポジションからの撮影は非日常的な視点になるので迫力が出ます。
地面（苔）が手前から奥に続くように写るので、立体感も感じることができます。
こちらは前ボケの使い方。
実は前ボケしている葉っぱの後ろには、人工物（蛇口の蓋）があるので、それを隠す役割も果たしています。カメラを近づければ近づけるほどピントが合わずにボケるので、ボカシたいものをカメラの目の前に置いてちょっとずらすのがポイントです。
スマホでの画像編集
スマホにはカメラの機能だけでなく、写真を編集する機能も標準的に備わっています。今回の講座でも「写真は撮影5割・編集5割。なので撮っただけでは5割のできですよ。」とお伝えさせて頂きました。明るくする暗くする、暗部を持ち上げる、明る過ぎる部分を抑える、色の濃さを調節する、朝の光のように青くする、夕方の様に黄色くする等々、iPhoneをベースにそれぞれの調節方法をお伝えさせて頂きました。
和菓子の撮影と呈茶
皆さんに撮影したお花の写真を編集して頂いてる間に、和菓子の準備と薄茶を点てさせて頂きました。和菓子は大人気和菓子作家の空羽さんに提供して頂きました。中々食べられない和菓子なので、こちらを楽しみに参加して下さった方が多かったです！見た目も勿論美しいのですが、味も工夫されていてとても美味しいのです。
抹茶は鵬雲斎大宗匠お好みの一保堂の若き白。
持参したお茶碗と共に皆様に楽しんで頂けました。
帰宅後に私も空羽さんの練り切りで一服点てて頂きました。
花菖蒲。四季を感じられるのが和菓子の醍醐味ですね♪
お客様の感想
後日御礼のメッセージをお伝えさせて頂き、当日の感想をお伺いさせて頂きました。
楽しんで頂けたようで、また役にたてたようでホッとすると共に嬉しいです。
- 経験だけで撮っていたので、理論的に教えていただき「目から鱗」でした。
- 影も映すと奥行きが出るのも目からウロコでしたし、外側の縁をぼかすのも知りませんでした。
- 曇り空を写さないなど、参考になりました。
- 光の読み方が参考になりました。逆光、順光の知識はありましたが、その効果などのお話が聞けて良かったです。
- スマホの編集は、今までやっていたつもりでしたが、知らなかった事がたくさんございましたので、とてもためになりました。
- 編集方法でスマホの機能を詳しく知ることができて良かったです。活用したいです。
- 空羽さんのお菓子と、素敵なお茶碗もとても楽しめました。
- 楽し過ぎて、2時間あっという間でした。
- 今回はお菓子撮影でしたが、今度、人物撮影やパフェ撮影編も開催してくださったら参加したいです。
- いざ講座をうけてみたら、この先私の撮る写メがもっと素敵なものとして残せそうだなと思っています。
- 秋（に開催予定の撮影講座）も楽しみです。
講座を終えて
撮影講座をやらせて頂いたのは、昨秋のミナトノアートに続いて2回目。
前回はマンツーマンだったので「理論７：実習３」ぐらいの内容でしたが、今回は5名×２回でフィールドワークも可能だったので、「理論３：実習７」で講座の内容を考えてみました。
「撮影の基礎知識を学んだ上で、すぐにそれを試してみる」というのは効率が良かったと感じました。追加の知識も撮影しながらお伝えすることもできました。
「スマホでの写真編集」は、ほとんどの方が普段使われていない機能なのもあって、皆さんにとって発見の多い内容だったように思います。「具体的にどの項目をどれぐらい変えていくのか」お見せすることで、皆さんも自分の写真を直感的に仕上げて下さいました。
空羽さんの和菓子でお抹茶一服。
こちらは何よりのご馳走になりました。撮影と茶の湯を同時に楽しんで頂く講座は他にはないと思うので、本講座の醍醐味だと思います。
次回は秋に開催？
「宝庵が紅葉になる秋頃にまた開催して下さい」という嬉しいご要望も頂いたので、諸々の都合が付きましたら開催となるかもしれません。ご興味のある方はぜひぜひお越し頂ければと思います。
講座の中でもお話しましたが、写真を好きになると、ふとした散歩もクリエイティブな活動となり、人生が豊かになります。皆さまの撮影活動や人生が、より豊かになる一助となりましたら何より嬉しく思います。
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