前回まで
【初心者向け】のカメラの選び方について5回に渡って書かせて頂きました。
【初心者向け】のレンズの選び方としては、「レンズの焦点距離」、「ズームレンズと単焦点レンズ」、「絞り/F値」について書きました。何のことだか分からない方はこちらもご覧ください。
レンズ表記
いざカメラを買おうとすると、アルファベットや数字が並んでいて、なんのことかさっぱり?という方が多いと思います。メーカーによって差異はありますが、今回は基本的な項目を説明していきたいと思います^^
まずは次の5つを確認しましょう。
- メーカー
- グレードや名称など
- 焦点距離
- F値
- フィルター径
- レンズマウント
メーカー
メーカーは、そのままですが、Nikon、Canon、Sony、Fujifilm、Panasonic、Olympus辺りが分かりやすいと思います。他にも、Sigma、Tamron、Leica、Carl Zeiss(カールツァイス)、Voigtlander(フォクトレンダー)といったメーカーもあります。
グレードや名称など
同じメーカーでも、レンズにはグレードや名称があります。
グレードによる差異は一般的には次のような内容です。
- 上位グレード:価格が高く、画質を追求し、大きく重い
- 下位グレード:価格が安く、画質はそこそこ、小さくて軽い
【Sonyの場合】
GマスターレンズやGレンズという上位ブランドがあり、更にCarl Zeissと共同開発しているZeissレンズもあります。
【Caononの場合】
Lレンズと呼ばれる上位グレードがあります。LuxuryのLとのことです。
【Nikonの場合】
S-Lineと言う上位グレードがあります。Superior、Special、Sophisticatedの意味のようです。
【その他】
ライカやフォクトレンダーの場合はレンズの明るさ(F値)で名称が決まりますし、カールツァイスの場合はレンズの構成で名称が決まります。
- F1.4のライカレンズ=Summilux(ズミルックス)
- F1.4のフォクトレンダーレンズ=Nokton(ノクトン)
- 前玉が大きく後玉が小さいカールツァイスのレンズ=Distagon(ディスタゴン)
焦点距離
焦点距離は以前説明した画角のことです。詳細は下記をご覧ください。
〇〇(mm)と記載されていますが、mmは省略されることが多いです。
F値
F値は以前説明したレンズの明るさのことです。詳細は下記をご覧ください。
レンズ名には絞りを一番開けた「開放のF値(一番明るい状態)」が書かれています。
フィルター径

フィルター径とはレンズの口径(直径)のことです。
レンズの前面には、傷がつかないようにプロテクターとなるフィルターを付けたり、サングラスの様にレンズを暗くするフィルターを付けたりすることがあります。(基本的には何かしら常時付けている方が多いと思います)
F値の小さい明るいレンズ(F1.4やF2等)は光を沢山取り込めるため、一般的にはレンズの口径が大きくなりがちです。一方、暗いレンズは小さめなことが多いです。
レンズのフィルター径が同じ場合、フィルターを使い回せるので便利です!

レンズマウント

当たり前ではありますが、レンズはカメさん本体に取り付ける必要があります。
では、全てのレンズを全てのカメさんに取り付けられるかというと、残念ながらそうではありません。
レンズの取り付け部分の形や大きさが同じ場合は物理的に取り付けられる訳ですが、これはレンズマウントが同じということです。
- レンズとカメさんが同じレンズマウントなら取り付けできる
- カメさんと異なるメーカーのレンズでも、レンズマウントが同じなら取り付けできる

上の写真はソニーのカメさんにシグマのレンズを取り付けていますが、同じEマウントです。
レンズマウントとメーカーの関係
各カメラメーカーは基本的に独自のレンズマウントを採用しています。
Lマウントやマイクロフォーサーズマウントに関しては複数のメーカーが採用しています。
以下、主なマウントをご紹介します。
【Sony】
- Eマウント・・・ミラーレス
- Aマウント・・・一眼レフ
【Nikon】
- Zマウント・・・ミラーレス
- Fマウント・・・一眼レフ
【Canon】
- RFマウント・・・ミラーレス
- EFマウント・・・一眼レフ
【Fujifilm】
- Xマウント・・・ミラーレス(APS-C)
- GFXマウント・・・ミラーレス(中判)
【Panasonic】
- Lマウント・・・ミラーレス(フルサイズ)
- マイクロフォーサーズマウント・・・ミラーレス(マイクロフォーサーズ)
【Olympus】
- マイクロフォーサーズマウント・・・ミラーレス(マイクロフォーサーズ)
【Leica】
- Mマウント・・・レンジファインダー
- Lマウント・・・ミラーレス
- Lマウント・・・昔のスクリューマウント。ミラーレスのLマウントとは異なる。
- Sマウント・・・ミラーレス(中判)
【SIGMA】
- Lマウント・・・ミラーレス
SonyのEマウントのミラーレスカメラの場合、SonyのEマウントレンズを付けることも、SigmaのEマウントレンズも付けることが可能です。Sigmaは自社ブランドのカメさんはLマウントで作っていますが、レンズに関してはLマウントに加え、Eマウント用のものも作っています。
マウントアダプター
マウントアダプターを挟むと、異なるマウントのレンズを取り付けることも可能です。
ただし、相性もあるので好ましい結果が得られるかは分かりません。

私の場合、SonyのEマウントカメラにマウントアダプターを取り付けて、LeicaのMマウント用のレンズを付けることが多いです。
具体的なレンズ表記

上の写真はSONYのFE 70-200 F4 G OSS(型名:SEL70200G)というレンズになりますが、ここまでくれば大体わかると思います。個別に見てい行きましょう!
- SONY
→メーカー名 - FE
→Eマウントのことです。ソニーはAPS-Cのカメさんもフルサイズのカメさんも同じEマウントを採用しているので、フルサイズに対応しているレンズの場合(Full size E-mount)でFEと表記します。(Canonの一眼レフ用のEFレンズと紛らわしいですね) - 70-200
→焦点距離のことです。70mm~200mmまでカバーするズームレンズだと分かります、 - F4
→開放F値です。ズームレンズなのにF値が一つしか書かれていないので、広角の70mmでも望遠の200mでも、開放F値はF4で固定されていることが分かります。(表記がF4-F5.6だった場合、広角側ではF4が使えますが、望遠になると開放がF5.6になるのでF4は使えなくなります。) - G
→グレードが「Gレンズ」という意味です。Gマスターレンズですとここが「GM」となります。 - OSS
→上記では説明していない補足説明の部分で「レンズ内光学式手振れ補正機能」搭載という意味です。レンズ側で手振れ補正が効くので、カメラに手振れ補正機能がなくても、手振れに強くなります。手振れ補正についてはCanonはIS、NikonはVR等と、メーカー毎に名称が異なります。 - 型名SEL70200G
→Sony E-mount Lens 70mm-200mm G-lensが型名になっています。
以上、レンズ選びの参考になれば幸いです^^
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