前回まで
次の内容についてこれまで書いてきました。
ご興味のある方は「カメラの基礎」のページをご確認ください♪
現在はカメさんの「使い方」について更新しています。
- カメさんの選び方(全5回)
- レンズの選び方(全5回)
- カメさんの使い方(前回は絞りとシャッタースピードで適正露出にする方法)
前回の復習になりますが、カメさんが自動で決めてくれる明るさを標準露出、そしてそこから明るくしたり、暗くしたりと、自分好みにした明るさを適正露出と言います。
適正露出にするには、絞りやシャッタースピードを調整する必要があります。
ここまでで分からない方は、前回の記事をご覧ください^^
Aモードで適正露出に調整しよう
皆さん、Aモードを覚えていますでしょうか?カメラの撮影モードの一つですが、忘れてしまった方はこちらをご覧ください。
Aモードは、Aperture Mode(アパチャーモード)のことで、日本語ですと「絞り優先モード」と呼ばれています。
絞りを自分で決めて、シャッタースピードはカメさんが自動で決めてくれます。
例えば、次の写真は、「絞りはF2」、「シャッタースピード(SS)は1/180秒」で撮っています。
Aモードで撮影した場合、F2というのは自分で決めた絞りですが、SSの1/180はカメさんが自動で決めてくれています。
露出補正ダイヤル
上の写真の右側の「モードダイヤル」については以前説明しましたが、左にある「-3~0~+3」までの数字が書いてあるダイヤルは「露出補正ダイヤル」と呼ばれています。+1はプラス1段、-3はマイナス3段を意味していて、0から+1までの間は3分割されているので、それぞれ1/3段ずつの目盛りになっています。(コンパクトデジカメの場合、物理的なダイヤルではなく、背面液晶で同様の機能を使用することができます)
撮影時にダイヤルを「+1にすると明るさを1段上げて撮影することができます」し、「-1/3段にすれば-1/3段暗くして撮影することができます。」
さて、Aモードの場合ですが、「絞りは自分で選んだ数字」で、「SSはカメさんが選んだ数字」ですので、「露出補正で変化するのはSS」の方になります。
先ほどの写真で言いますと「絞りはF2」で「SSは1/180」でした。
これを見て少し暗いな~と感じたら、露出補正ダイヤルを+1/3や+1に設定して、もう少し明るい写真になるように撮影します。
絞りは自分で選んだF2に固定されています。
SSは元の1/180から「露出補正+1/3にすると1/150」、「+2/3にすると1/120」、「+1にすると1/90」になります。
こちらは+1/3段明るくした写真。よく見比べないと分からないかもしれませんが、苔の緑がちょっと薄いですね。
こちらは+1段。+1で「1段明るくする」ということは「露出(明るさ)は2倍になる」ので、SSも2倍の長さ(1/180から1/90)になるわけですね。ハイキーな印象の写真になったと思います。
こうして明るさを変えると、三者三葉でどの写真が好きか、好みが分かれるのではないでしょうか?適正露出に正解は無いので、どの写真も正解になり得るわけです。
Sモードで適正露出に調整しよう
Aモードで適正露出に補正する方法を説明しました。それでは、「SSは自分で決めて」、「絞りをカメさん任せにする」Sモードの場合はどうなるでしょうか?
Sモードでも操作は変わらず、露出補正ダイヤルを使って「+1/3」にしたり、「-2」にすることで写真の明るさを調節することができます。
ただ、露出補正ダイヤルを使用した時、「Aモードの場合変化したのはSS」でしたが、「Sモードの場合は絞りのF値が変化」します。比較すると次のようになりますね。
- Aモード:F値(ボケ加減)は任意で固定、露出補正ダイヤルでSSが変化する
- Sモード:SS(被写体の動き)は任意で固定、露出補正ダイヤルでF値が変化する
以前も説明しましたが、F値はボケ加減、SSは被写体の動きに大きく影響するので、Aモード、Sモードどちらを利用するかは「ボケを調節」したいのか、「被写体の動きを調節」したいのかで変わってくると思います。マニュアルモードですと両方自分で選べるので、私の場合気楽な撮影はAモード、SSもコントロールしたい場合はマニュアルモードを使っています。
※)F値が変われば画質も変わったりするので、厳密にはF値で変化するのはボケだけではありません。ここでは簡略に説明しているのでご承知ください。
【余談】SSは数秒から1/8000程度まで幅が広いのですが、F値は一般的にF2.8~F22ぐらいまでなのであまり幅がありません。薄暗い室内撮影では、手振れしないギリギリの1/30等にSSを合わせることがあります。ここで絞り開放のF2.8(光が多めに入る)にしてもトータルの光が足りない現象が起きて「これ以上明るく補正できない」という限界もでてきます。絞り開放がF1.4まであるレンズでしたら、F2.8からでも、F2.5→F2.2→F2.0→F1.8→F1.6→F1.4と。+2段更に明るく補正できることになります。(ISOの説明はまだしていないので、ISOは除いて考えています)
まとめ
- AモードやSモードでは、露出補正ダイヤルを使用して適正露出で撮影する
- Aモード:F値(ボケ加減)は任意で固定、露出補正ダイヤルでSSが変化する
- Sモード:SS(被写体の動き)は任意で固定、露出補正ダイヤルでF値が変化する
- Aモードはボケ加減を自分でコントロールしたいときに使う
- Sモードは被写体の動きを自分でコントロールしたいときに使う
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